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教育訓練給付制度でITスキルを学ぶ3種類の給付の違い・最大80%の条件・IT講座の探し方【2026年】

最終更新: 2026年7月4日

先に結論:3つの即答

  • 何が戻る? 厚生労働大臣が指定した講座の受講費用の一部が、雇用保険から支給されます。一般教育訓練で20%(上限10万円)、特定一般で40〜50%、専門実践なら50%〜条件を満たせば最大80%(年間上限64万円)です。
  • 誰が対象? 雇用保険の被保険者(在職中OK)または離職後1年以内の方で、加入期間が原則3年以上(初回は1〜2年以上に緩和)ある方。パート・派遣でも雇用保険に加入していれば対象になり得ます。
  • どこで探す? 対象講座は厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で検索できます。プログラミング・クラウド・データ分析などIT関連講座もここから絞り込めます。手続きの窓口はハローワークです。

出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」教育訓練講座検索システム(いずれも2026年7月参照)

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度は、働く人の主体的な能力開発・キャリア形成を支援するために、雇用保険制度の一環として実施されている国の給付制度です。厚生労働大臣が指定した教育訓練講座を受講・修了すると、支払った受講費用の一部が支給されます(出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」、2026年7月参照)。

ポイントは、これが失業者向けの制度ではないことです。対象は雇用保険の被保険者、つまり在職中の会社員・パート・派遣の方(雇用保険加入者)と、離職後1年以内の方。「会社を辞めずに、働きながらITスキルを学ぶ費用を国が一部負担してくれる」制度として使えます。

給付には「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3種類があり、講座のレベル・分野によって給付率と上限額が異なります。2024年(令和6年)10月からは給付率の引上げが行われ、専門実践教育訓練では条件を満たすと受講費用の最大80%(年間上限64万円)まで支給されるようになりました。数十万円かかるIT系の講座でも、自己負担を大きく抑えられる可能性があります。

未経験からのエンジニア転職では「学習費用」が最初のハードルになりがちですが、この制度を知っているかどうかで負担が大きく変わります。プログラミングスクールの選び方を検討する際も、まず「その講座が教育訓練給付の指定を受けているか」を確認するのがおすすめです。

3種類の給付の違い(一般/特定一般/専門実践)比較表

3種類の給付率・上限額・要件を比較します。いずれも2024年(令和6年)10月の給付率引上げ後の現行制度です。

項目一般教育訓練特定一般教育訓練専門実践教育訓練
基本の給付率受講費用の20%(上限10万円)受講費用の40%(上限20万円)受講費用の50%(年間上限40万円)
追加の給付なし資格取得等+修了後の就職等で50%(上限25万円)に引上げ資格取得等+修了後1年以内の雇用で70%(年間上限56万円)。さらに賃金が受講前より5%以上上昇で80%相当(年間上限64万円)との差額を支給
雇用保険の加入期間3年以上(初回は1年以上)3年以上(初回は1年以上)3年以上(初回は2年以上)
受講前の手続き原則不要(修了後に支給申請)訓練前キャリアコンサルティング+ジョブ・カード交付のうえ、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認訓練前キャリアコンサルティング+ジョブ・カード交付のうえ、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認
講座のイメージ幅広い分野の入門・スキルアップ講座速やかな再就職・キャリア形成に資する講座(IT資格の取得を目指す講座など)中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な講座(デジタル分野の講座など)

出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」(いずれも2026年7月参照)。特定一般の50%・専門実践の80%は2024年(令和6年)10月1日以降に受講開始した場合が対象です。個別の講座がどの給付に該当するか、自分が支給要件を満たすかは、必ず検索システムとハローワークで確認してください。

誤解しやすいポイント

  • 「最大80%」は無条件ではありません。専門実践の80%は「資格取得等→修了後1年以内の雇用→賃金5%以上上昇」という段階的な条件を満たした場合の最大値です。基本は50%と理解しておきましょう。
  • 割引ではなく後払いです。受講料はいったん自分で支払い、後からハローワークへの申請で支給を受ける仕組みです。
  • 特定一般・専門実践は受講前の手続きが必須です。受講開始日の2週間前までの受給資格確認を忘れると給付を受けられないため、申込前に必ずハローワークへ。

ITスキル講座での活用イメージ(Web系・インフラ系・データ系)

指定講座には、資格取得を目指す講座やデジタル分野の専門知識の向上に役立つ講座が含まれており、IT関連の講座も教育訓練講座検索システムで探せます(出典: 同システム、2026年7月参照)。ここでは「どんな方向性の講座を探すか」の整理として、女性エンジニア転職で狙われやすい3つの領域を紹介します。特定のスクール・講座の優劣を示すものではなく、必ず検索システムで指定講座かどうか・給付の種類を確認してください

Web開発系

  • プログラミング言語・Webアプリ開発を学ぶ講座
  • フロントエンド/バックエンドの開発職を目指す人向け

求人数が多く未経験採用の入口になりやすい領域。フロントエンドバックエンドの仕事内容も参考に。

インフラ・クラウド系

  • ネットワーク・サーバー・クラウドの知識や関連資格の取得を目指す講座
  • インフラエンジニア・クラウドエンジニアを目指す人向け

資格が評価に直結しやすい領域。インフラエンジニアAWSのキャリアもあわせてどうぞ。

データ・AI系

  • データ分析・統計・AI活用などデジタル分野の専門知識を学ぶ講座
  • データ分析職・AI関連職への足がかりにしたい人向け

需要の伸びが大きい領域。データサイエンティストAI・機械学習のキャリアも参考に。

講座の探し方(検索システムの使い方)

  1. 1.教育訓練講座検索システム(kyufu.mhlw.go.jp)にアクセス
  2. 2.給付の種類(一般/特定一般/専門実践)や分野・キーワード(プログラミング、クラウド、データ分析など)、受講形態(通学・通信)で絞り込み
  3. 3.気になる講座の受講費用・期間・目標資格を確認し、給付率をあてはめて自己負担額を試算
  4. 4.候補が決まったら、申込前にハローワークで支給要件と手続きを確認

資格取得を軸に選ぶ場合は、基本情報技術者試験など資格側から逆算するのも有効です(女性エンジニアの資格マップ参照)。

利用手順(ハローワークでの手続き)

手続きの窓口は住所地を管轄するハローワークです。特に特定一般・専門実践は「受講開始前」の手続きが必須なので、講座に申し込む前にハローワークに行く、という順番を覚えておきましょう。

STEP1

支給要件を確認する

自分の雇用保険の加入期間が要件(原則3年以上、初回は一般・特定一般1年以上/専門実践2年以上)を満たすか、ハローワークで支給要件照会ができます。離職中の方は「離職後1年以内の受講開始」も要チェック。

STEP2

検索システムで講座を選ぶ

教育訓練講座検索システムで指定講座を検索し、給付の種類(一般/特定一般/専門実践)を確認。同じ分野でも講座によって給付の種類が異なります。

STEP3

(特定一般・専門実践)訓練前キャリアコンサルティング

訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けます。そのうえで受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行います。

STEP4

受講・修了

受講料はいったん自分で支払って受講します。修了要件(出席率・課題など)は講座ごとに定められているため、実施機関に確認しましょう。

STEP5

ハローワークに支給申請

修了後、必要書類を揃えてハローワークに支給申請します。申請には期限が定められているため、受講前に申請時期と必要書類を確認しておくと安心です。

出典: ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」(2026年7月参照)。手続きの詳細・必要書類は変更される場合があるため、最新情報は必ずハローワークで確認してください。

女性のキャリアと併用しやすい理由

教育訓練給付は、キャリアの節目が多くなりがちな女性にとって、次の点で使い勝手のよい制度です。いずれも制度上の事実に基づくポイントです。

1. 在職中に使える=辞めずに準備できる

対象は雇用保険の被保険者本人。退職せずに、今の仕事を続けながら通信・オンラインの指定講座で学ぶ、という使い方ができます。収入を保ったまま転職準備を進められるのは大きな安心材料です。働きながらの転職活動の進め方ともあわせてどうぞ。

2. パート・派遣でも雇用保険加入なら対象になり得る

支給要件は雇用形態ではなく「雇用保険の加入期間」で判定されます。非正規で働きながらITスキルを身につけて正社員転職を目指すルートでも、要件を満たせば給付を使えます。

3. 離職後1年以内なら退職後でも使える

出産・育児などでいったん離職した場合も、離職後1年以内に受講を開始すれば対象になり得ます。復職・再就職の準備として学び直したい人は、離職からの期間を早めに確認しましょう。ブランクからの復職ガイドも参考になります。

4. 自己負担を抑えて「資格+スキル」を作れる

特定一般・専門実践には資格取得等で給付率が上がる仕組みがあり、制度自体が「資格を取って就職する」動きを後押しする設計です。未経験からの転職では学習の証明が重要になるため、給付で費用を抑えつつ資格とポートフォリオを作る流れと相性が良いといえます。

あわせて検討したい関連の公的支援

「費用を抑えてITスキルを学ぶ」選択肢は教育訓練給付だけではありません。自分の状況(年齢・居住地・就業状態)によっては、より条件の合う公的支援があります。

東京都「女性ITエンジニア育成事業」(受講料無料)

原則39歳以下・正社員でない女性が対象の、東京都による無料の職業訓練+就職支援。受講料無料でPCレンタルもあり、条件が合えば教育訓練給付より自己負担を抑えられます。詳細は東京都の女性ITエンジニア育成事業ガイドで解説しています。対象外の方(40歳以上・在職正社員・都外就職希望)は本記事の教育訓練給付が有力な代替になります。

給付対象のプログラミングスクールを選ぶ

民間スクールの中にも教育訓練給付の指定講座があります。スクール選びの基準と給付金活用の考え方は女性向けプログラミングスクールの選び方で詳しく解説しています。スクールの広告表示だけで判断せず、検索システムで指定状況と給付の種類を確認しましょう。

在職中の学び直し・社内制度

勤務先にリスキリング支援や休暇制度がある場合は、教育訓練給付と組み合わせて学習時間を確保する方法もあります。リスキリングでエンジニアを目指すを参考にしてください。

よくある質問

教育訓練給付制度は在職中(働きながら)でも使えますか?

使えます。教育訓練給付は雇用保険の被保険者(在職中の方)と、離職後1年以内の方が対象です。会社を辞める必要はなく、働きながら夜間・オンラインの指定講座を受講して給付を受けることができます。受講開始日時点で雇用保険の加入期間が3年以上(初めて利用する場合は、一般・特定一般は1年以上、専門実践は2年以上)あることが条件です(出典: ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」、2026年7月参照)。

パートや派遣で働いていても教育訓練給付の対象になりますか?

雇用形態そのものではなく「雇用保険に加入しているか」と「その加入期間」で判定されます。パート・派遣・契約社員でも、勤務先で雇用保険に加入していれば被保険者として対象になり得ます。自分の加入期間が要件を満たすかどうかは、ハローワークで支給要件照会ができるので、受講を検討する段階で確認しておくと確実です。

給付金はいつ受け取れますか?先に受講料を払う必要はありますか?

教育訓練給付は、支払った教育訓練経費の一定割合が後から支給される仕組みです。受講料はいったん自分で支払う必要があり、「最初から割引価格で受講できる」制度ではありません。支給申請はハローワークで行い、申請期限が定められているため、受講前にハローワークまたは講座の実施機関で申請の流れと期限を確認しておきましょう。

どの講座が教育訓練給付の対象か調べる方法はありますか?

厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/)で、厚生労働大臣の指定を受けた講座を検索できます。給付の種類(一般・特定一般・専門実践)、分野、受講形態(通学・通信)、地域などの条件で絞り込めるため、プログラミング・クラウド・データ分析などIT関連の講座もここから探せます。個別のスクールの広告ではなく、まず公式の検索システムで対象講座を確認するのが確実です(出典: 厚生労働省 教育訓練講座検索システム、2026年7月参照)。

専門実践教育訓練で給付率が最大80%になる条件は何ですか?

専門実践教育訓練は、まず受講費用の50%(年間上限40万円)が支給され、資格取得等をして修了後1年以内に雇用された場合などに70%(年間上限56万円)に引き上がります。さらに2024年(令和6年)10月以降の受講開始者は、訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5%以上上昇した場合に、教育訓練経費の80%相当額(年間上限64万円)との差額が追加支給されます。80%は無条件ではなく「資格取得・就職・賃金上昇」という段階的な条件を満たした場合の最大値である点に注意してください(出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」、2026年7月参照)。

出典・参考資料

※給付率・上限額・手続きは2026年7月時点で確認した現行制度(2024年10月の給付率引上げ後)に基づきます。制度は改正される場合があるため、受講前に必ず厚生労働省・ハローワークの最新情報を確認してください。

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