全国の女性向けITリスキリング・訓練支援まとめ公的制度ハブ|対象・費用・公式リンクで比較【2026年】
公開日: 2026年7月4日
先に結論:まず押さえる5つの制度
「女性向けのIT学習支援」は、全国どこでも使える国の制度と、自治体(都道府県)の女性向け事業の二層構造です。次の3+2をまず確認しましょう。
- ✓教育訓練給付(全国・厚労省): 講座費用の20〜最大80%を給付。在職中でも使える。
- ✓求職者支援訓練(全国・厚労省): 受講料無料。要件を満たせば月10万円の給付金つきで学べる。
- ✓マナビDX(全国・経産省/IPA): デジタル講座の公式ポータル。無料講座あり・誰でも今日から使える。
- ✓女性ITエンジニア育成事業(東京都): 原則39歳以下の女性向け。無料6か月訓練+就職支援。
- ✓女性デジタルカレッジ(東京都): 出産・育児等で退職した女性の再就職向け。無料・託児つき。
本記事に掲載した制度は、すべて公式ページへの到達を確認済みです(2026年7月参照)。
公的支援の全体像:国の制度×自治体の事業の二層構造
「未経験からITを学びたい。でもスクール代は高い」——この悩みに対して、公的支援は大きく2つの層で用意されています。
1層目は国(厚生労働省・経済産業省)の全国共通制度です。講座費用の一部を給付する「教育訓練給付」、無料の職業訓練+生活支援給付金の「求職者支援制度」、そして公式のデジタル学習ポータル「マナビDX」。住んでいる場所を問わず、誰でも入口にできます。
2層目は都道府県が実施する女性向けのデジタル人材育成事業です。国も「女性デジタル人材育成プラン」(内閣府男女共同参画局)を掲げて自治体の取り組みを後押ししており、東京都の「女性ITエンジニア育成事業」「女性デジタルカレッジ」のように、託児つき・就職支援つきで無料という手厚い事業があります。ただし自治体事業は年度単位で実施されるため、募集時期・継続の有無は毎年変わります(出典: 内閣府男女共同参画局「女性デジタル人材育成プラン」、2026年7月参照)。
この記事では、公式ページに実際に到達確認できた制度だけを「対象/費用/形式/公式リンク」の統一フォーマットで整理します。まず全国共通の3制度から見ていきましょう。
全国どこでも使える3制度
| 制度 | 対象 | 費用 | 形式 | 公式リンク |
|---|---|---|---|---|
| 教育訓練給付 | 雇用保険の加入期間など要件を満たす人(在職中も可・性別不問) | 受講費用の20%〜最大80%を給付(種類による) | 厚労大臣指定の講座(通学・オンライン)を自分で選んで受講 | 厚生労働省 |
| 求職者支援訓練 | 雇用保険を受給できない離職者・フリーランス廃業者・一定収入以下のパートの方など(性別不問) | 受講料無料。要件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金 | ハローワーク経由で申込む職業訓練(IT・Web系コースあり) | 厚生労働省 |
| マナビDX | 誰でも利用可(初学者〜実践者・性別不問) | 無料講座あり(有料講座も掲載) | オンライン学習ポータル。講座を検索して受講 | マナビDX(IPA) |
出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」「求職者支援制度」、IPA「マナビDX」各公式ページ(いずれも2026年7月参照)
1. 教育訓練給付 — 在職中でも「講座費用の一部が戻る」
厚生労働大臣が指定した講座を受講すると、費用の一部がハローワークから給付される制度です。給付率は3段階あり、一般教育訓練で20%(上限10万円)、特定一般教育訓練で40%(上限20万円・資格取得+就職等で50%)、専門実践教育訓練で50%(年間上限40万円・資格取得+就職等で70%、さらに賃金上昇で最大80%=上限64万円)です。IT分野の指定講座も多く、働きながらスクールで学びたい人の第一候補になります。
雇用保険の加入期間などの受給要件があるため、受講前にハローワークで確認しましょう。詳しくは教育訓練給付でITを学ぶ完全ガイドで解説しています(出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」、2026年7月参照)。
2. 求職者支援訓練 — 無料訓練+条件を満たせば月10万円
雇用保険を受給できない求職者(離職後ブランクのある方、フリーランスを廃業した方、一定額以下の収入のパートの方など)のための制度で、訓練は無料(テキスト代等は自己負担)。さらに本人月収8万円以下・世帯月収30万円以下・世帯の金融資産300万円以下・訓練実施日に全て出席(やむを得ない理由がある場合でも8割以上)などの要件を満たすと、月10万円の職業訓練受講給付金と通所手当(上限あり)を受けながら学べます。
出産・育児で雇用保険の受給資格がないまま離職期間が長くなった女性が、生活費の支えを得ながらITを学び直せる制度です。IT・Web系コースの探し方はハロートレーニングでITを学ぶガイドを参照してください(出典: 厚生労働省「求職者支援制度」、2026年7月参照)。
3. マナビDX — 今日から使える公式デジタル学習ポータル
経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営する「デジタル知識・スキルが身につく学びの場」の公式ポータルです。デジタルリテラシーの基礎からデータサイエンス、ソフトウェア開発、セキュリティまでの講座を検索でき、受講料無料の講座カテゴリも用意されています。手続き不要・誰でも利用できるため、「まず自分にITが向いているか試したい」段階の最初の一歩に最適です。
講座の選び方・活用手順はマナビDX活用ガイドで詳しく解説しています(出典: マナビDX公式サイト、2026年7月参照)。
東京都の女性向け2事業
自治体の女性向けデジタル訓練で最も手厚いのが東京都です。東京都産業労働局は、目指すレベルの異なる2つの事業を実施しています。どちらも受講料無料です。
| 項目 | 女性ITエンジニア育成事業 | 女性デジタルカレッジ |
|---|---|---|
| 対象 | 原則39歳以下の女性。求職中または非正規雇用で就業中(正社員でない方)。都内IT関連企業等への正社員就職を希望する方(学生除く) | 結婚・出産・育児等による退職後、再就職を希望する女性。求職中の方(就業中・就業が決まっている方は申込不可)。ハローワークまたは東京しごとセンター登録が必要 |
| 費用 | 受講料無料・PCレンタル無料(交通費・資格受験費用は自己負担) | 受講料無料・無料託児サービスあり(生後6か月以上の未就学児。施設により1歳以上) |
| 形式・内容 | 6か月。eラーニング主体+月2回の集合型訓練(新宿)。プログラミング/インフラクラウドの2コース+就職支援 | 入門コース(Word・Excel基礎・5日間通学)と基礎及び応用コース(15日間通学+約2か月の就職支援。Office 365・Zoom・生成AI活用等) |
| 目指す先 | ITエンジニア(開発・インフラ)としての正社員就職 | デジタルスキルを使った事務系等での再就職 |
| 公式リンク | women-tokyo-en.metro.tokyo.lg.jp | tokyo-woman-d.metro.tokyo.lg.jp |
出典: 東京都「令和8年度女性ITエンジニア育成事業」公式サイト、東京都「女性デジタルカレッジ事業」公式サイト・TOKYOはたらくネット(いずれも2026年7月参照)
どちらを選ぶ?(2026年7月時点の状況)
- ◆ITエンジニア職を目指すなら女性ITエンジニア育成事業。2026年7月時点では後期1期生(8月1日受講開始)がプログラミング・インフラクラウド両コースとも募集中です。詳細は女性ITエンジニア育成事業の完全ガイドへ。
- ◆ブランクからの再就職・PC基礎からなら女性デジタルカレッジ。訓練場所と同じ施設での無料託児があり、育児中でも通いやすい設計です。詳細は女性デジタルカレッジの完全ガイドへ。
※募集状況は期・年度ごとに変わります。必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。
他の道府県での探し方
女性向けのデジタル人材育成事業は東京都だけのものではありません。内閣府の「女性デジタル人材育成プラン」を背景に、各道府県でも同種の事業が実施されています。ただし年度単位の事業のため、実施の有無・募集時期は毎年変わります。2026年7月時点で公式ページに到達確認できた例と、お住まいの地域での探し方を紹介します。
埼玉県「女性のデジタル人材育成推進事業」
募集中(2026年7月確認)- ✓対象: 埼玉県在住または県内で就業を希望する女性。在職中でも受講可
- ✓費用: 受講料無料(通信費は自己負担)
- ✓形式: オンライン(eラーニング・24時間視聴可)。基礎・応用講座は毎月開講、実践講座はライブ+アーカイブ配信。月ごとの定員制
- ✓公式: woman-jobtraining-pref-saitama.com(令和8年度、2026年7月参照)
福岡県「でじたる女性プロジェクト」
事業終了表示(2026年7月確認)福岡県の「女性デジタル人材育成・就業支援事業」として、県内在住で就労意向のある成人女性を対象に、約4か月の無料eラーニング+集合研修を実施していた事業です。ただし公式ページには「本事業は終了しました」と表示されています(令和7年度・第3期生まで実施。2026年7月参照)。
- •公式: digital-women.maia.co.jp/fukuoka/福岡県庁 報道発表
- •このように自治体事業は年度で入れ替わります。福岡県にお住まいの方は、県公式サイトで最新年度の女性向け事業の有無を確認してください
お住まいの地域で探す3ステップ
「自治体名+女性+デジタル」で検索する
「◯◯県 女性 デジタル」「◯◯県 女性 職業訓練」で検索すると、その年度の事業ページが見つかります。埼玉県の事業もこの方法で確認できます。事業名は「女性デジタル人材育成」「女性向けデジタルスキル習得訓練」など自治体ごとに異なります。
男女共同参画センター(女性センター)に聞く
多くの自治体にある男女共同参画センターは、女性向け就業支援講座の窓口・共催会場になっていることが多い機関です。地域の女性向け事業の情報がここに集まります。
都道府県労働局・ハローワークで職業訓練を案内してもらう
自治体独自の女性向け事業が見つからなくても、全国共通の求職者支援訓練・公共職業訓練(ハロートレーニング)はどの都道府県でも受けられます。ハローワークの窓口で「IT系の訓練コース」を相談しましょう。
※大阪府・愛知県については、2026年7月時点で「女性限定のITリスキリング訓練事業」の公式ページを確認できませんでした(中小企業向けのデジタル人材育成支援等は実施)。上記3ステップで最新情報を確認してください。
どれを選ぶ?状況別の制度選びチャート
「在職中かどうか」と「費用をかけられるかどうか」の2軸で考えると、使うべき制度がほぼ決まります。
Q1. いま在職中?(正社員として働いている)
- →YES・費用をある程度かけられる: 教育訓練給付が第一候補。指定講座なら費用の20〜最大80%が給付されるため、実質負担を抑えてスクール・講座で学べます。
- →YES・費用をかけたくない: マナビDXの無料講座から。埼玉県在住・県内就業希望なら在職者も受講できる県の無料事業も併用できます。
Q2. 非正規で就業中、または求職中?
- →都内でエンジニア就職を目指す・原則39歳以下: 東京都 女性ITエンジニア育成事業(無料6か月+就職支援)が最有力。
- →出産・育児等のブランクから再就職したい(東京都): 女性デジタルカレッジ(無料・託児つき)でPCスキルから立て直す。
- →東京都以外・雇用保険を受給できない: 求職者支援訓練。無料訓練+要件を満たせば月10万円の給付金。あわせて自治体の女性向け事業を「探し方3ステップ」で確認。
- →まだ方向性を迷っている: まずマナビDXの無料講座で適性を試してから、訓練への応募を判断するのが失敗しない順序です。
訓練修了後の転職活動の進め方は未経験からITエンジニアになる方法を、在職のまま学ぶ制度の全体像はリスキリング支援の活用ガイドを参照してください。
各制度の詳細ガイド記事(サイト内)
本記事は全体マップです。各制度の申込方法・注意点・体験レベルの深掘りは、それぞれの専用ガイドで解説しています。
よくある質問
女性しか使えない制度なのですか?▾
制度によって異なります。国の教育訓練給付・求職者支援訓練(求職者支援制度)・マナビDXは性別を問わず利用できる全国共通の制度です。一方、東京都の女性ITエンジニア育成事業・女性デジタルカレッジ、埼玉県の女性のデジタル人材育成推進事業などの自治体事業は女性限定で設計されており、託児サービスや再就職支援など、出産・育児でキャリアが中断した人を想定したサポートが手厚いのが特徴です。まず全国共通の3制度を土台に、お住まいの自治体に女性向け事業があれば上乗せで検討するのが効率的です(出典: 厚生労働省・各事業公式サイト、2026年7月参照)。
働きながら(在職中に)使える支援はどれですか?▾
在職中でも使いやすいのは教育訓練給付とマナビDXです。教育訓練給付は雇用保険の加入期間など一定の要件を満たせば在職中でも講座費用の一部(一般20%〜専門実践は最大80%)の給付を受けられます。マナビDXは経済産業省とIPAが運営する学習ポータルで、誰でも利用でき無料講座も掲載されています。埼玉県の女性のデジタル人材育成推進事業も在職者の受講が可能です。一方、東京都の女性ITエンジニア育成事業は「求職中または非正規雇用で就業中(正社員でない)」が条件、女性デジタルカレッジは求職中の方限定(就業中は申込不可)、求職者支援訓練も原則として離職中の方向けの制度です(出典: 各公式サイト、2026年7月参照)。
完全無料でITスキルを学べる公的制度はありますか?▾
あります。求職者支援訓練は受講料無料(テキスト代等は自己負担)で、収入・資産などの要件を満たせば月10万円の職業訓練受講給付金を受けながら学べます。東京都の女性ITエンジニア育成事業(受講料・PCレンタル無料)と女性デジタルカレッジ(受講料無料・無料託児つき)、埼玉県の女性のデジタル人材育成推進事業(受講料無料)も無料です。マナビDXにも受講料無料の講座カテゴリがあります。ただし「無料」でも交通費・受験料・通信費などは自己負担になるのが一般的なので、申込前に公式サイトで自己負担の範囲を確認してください(出典: 厚生労働省・各事業公式サイト、2026年7月参照)。
自分の住んでいる県に女性向けのデジタル訓練事業があるか調べるには?▾
3つの方法があります。(1)「自治体名+女性+デジタル」「自治体名+女性+職業訓練」で検索する(例: 埼玉県の「女性のデジタル人材育成推進事業」はこの方法で見つかります)。(2)お住まいの地域の男女共同参画センター(女性センター)に問い合わせる。自治体の女性向け就業支援の窓口・共催会場になっていることが多い機関です。(3)都道府県労働局・ハローワークで職業訓練(ハロートレーニング)の案内を受ける。自治体の女性向け事業は年度単位で実施され、福岡県の「でじたる女性プロジェクト」のように年度をもって終了する事業もあるため、必ず最新年度の募集状況を公式サイトで確認してください。
出典・参考資料
- 出典: 厚生労働省「教育訓練給付制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html(2026年7月参照)
- 出典: 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyushokusha_shien/index.html(2026年7月参照)
- 出典: 経済産業省・IPA「マナビDX」 https://manabi-dx.ipa.go.jp/(2026年7月参照)
- 出典: 東京都「令和8年度女性ITエンジニア育成事業」公式サイト https://women-tokyo-en.metro.tokyo.lg.jp/(2026年7月参照)
- 出典: 東京都「女性デジタルカレッジ事業」公式サイト https://tokyo-woman-d.metro.tokyo.lg.jp/(2026年7月参照)
- 出典: TOKYOはたらくネット「女性デジタルカレッジ事業」 https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/kyushokusha-kunren/etc/jyosei_digital/index.html(2026年7月参照)
- 出典: 埼玉県「女性のデジタル人材育成推進事業」公式サイト https://woman-jobtraining-pref-saitama.com/(2026年7月参照)
- 出典: 福岡県「でじたる女性プロジェクト」公式サイト・福岡県庁報道発表 https://digital-women.maia.co.jp/fukuoka/(2026年7月参照・事業終了表示)
- 出典: 内閣府男女共同参画局「女性デジタル人材育成プラン」 https://www.gender.go.jp/policy/digital/index.html(2026年7月参照)